とうつきの本棚

本に纏わることの記録。

『税効果会計の経理入門 第2版』有限責任監査法人トーマツ

税効果会計の基本および具体的な手続について、教科書的にまとめた本。

税効果会計とは何か?から、基本的な枠組みや一時差異の概要、回収可能性の検討、連結財務諸表における税効果会計まで、事細かに記載されている。

 

良く言えば順を追って丁寧に説明してくれる教科書スタイル、悪く言えば単調に説明文が続くスタイルで、人によって合う合わないはかなり大きいと思われる。

個人的には教科書的な文章を読むことは得意な方なので、理解しやすかった。まあ、読んでいて流石に眠くはなったが。

 

税効果会計関連の本は、この後にもう1冊読んでいる。次回記事にする『すらすら税効果会計 第3版』で、こちらは参考書的な本だ。

順を追った丁寧な説明よりも、初心者への理解のしやすさを重視した段取りになっている。両者のアプローチは全く異なっていて面白かった。

税効果会計を全く分からない人には、『すらすら税効果会計 第3版』の方が馴染みやすいかもしれない。一方で、論理的に細部まで理解したい人には順序かぐちゃぐちゃで読みづらいかもしれないので、まずは教科書的な本書に頼ってもいいと思う。

 

ちなみに、私は経理を職務としておらず、法人税の算出も担当外だ。ただ仕事の書類で繰延税金資産の単語を見ることはあり、簿記2級で計算問題も解いた。……でも、いまいち税効果会計が何なのかわからない。

中途半端な理解しかなかったので、①一度教科書的に道筋を立てる『税効果会計経理入門 第2版』→②異なる方向性からの説明で知識を補強する『すらすら税効果会計 第3版』の順番で読むことができて良かった。

 

なお、12章「連結財務諸表における税効果会計」以降は、どうにも理解が及ばなかったため未読である。

また、本書の最新版は第4版だ。職場に第2版しかなくこれを読んだが、2009年発行のため、税率や欠損金の繰越期間など出版後に改定になった部分も多い。最新版を読むことを勧めたい。