とうつきの本棚

本に纏わることの記録。

『すらすら税効果会計 第3版』三林昭弘

税効果会計について、初心者向けに丁寧に説明した参考書。

 

かなりかみ砕いて書かれており、わかりやすく説明された本だと感じた。

特に「第1章 税効果会計のはなしを始める前に」「第2章 税効果会計ってなんですか?」が良かった。税効果会計の理念やら計上方法の前に、前提条件ががっつり説明されている。

例えば、会計上の利益と税務上の所得は異なるとか、両社のギャップを埋めて税金費用を算出するにはとか、そもそも法人税の計算方法や申告方法とはとか。いわゆる「一時差異」を「タイミングの違い」と表記するなど、とっつきやすさも有難い。

改めて説明されると「ああ、そうか!」「だからこうなるのか!」と目から鱗が落ちる内容も多い。

税効果会計ってなに!?全く分からない!!!と言う人におすすめの1冊。

 

もう1冊、税効果会計の本を読んでいるが、こちらは教科書的だ。

tou-book.hatenablog.com

本書『すらすら税効果会計 第3版』は参考書に近い。順を追った正しい説明よりも、初心者への理解のしやすさに重きを置いている。両者はアプローチの仕方が全く異なっていて面白かった。

論理的に細部まで理解したい人は、上記『税効果会計経理入門』の方がいいかもしれない。一方、税効果会計を全く分からない人には、こちらの方が馴染みやすいと思う。

 

ちなみに、私は経理を職務としておらず、法人税の算出も担当外だ。ただ仕事の書類で繰延税金資産の単語を見ることはあり、簿記2級で計算問題も解いた。……でも、いまいち税効果会計が何なのかわからない。

中途半端な理解しかなかったので、①一度教科書的に道筋を立てる『税効果会計経理入門 第2版』→②異なる方向性からの説明で知識を補強する『すらすら税効果会計 第3版』の順番で読むことができて良かった。

 

  • タイトル:『すらすら税効果会計 第3版』
  • 著者:三林昭弘
  • 出版社:中央経済社
  • 読んだ日:2023年1月◇
  • 経路:図書館で貸出