とうつきの本棚

本に纏わることの記録。

『経営幹部必読! 早わかり IFRS』グローバルタスクフォース

上場企業において今後適用が進むだろう会計基準・IFRS(イファース)について、経営者向けに基礎から説明した解説書。

 

細かい規則や具体的な作業内容よりも、「IFRSとはなにか?」「どんな考え方の会計基準か?」の解説が詳しい。タイトルにある通り、実務担当者向けではなく役員や上司向けだからだろう。

私は隣の部署から「IFRS」という単語をたまに聞く……といった立ち位置で、そもそもそれは何?機会があれば少し調べてみる?程度の興味だった。制度の成り立ちや概略をざっくりと説明したこの本はぴったりだった。

……まあ、IFRSはEU国内でも上場企業向けで、日本では強制適用ではないらしいので、うちの職場は全然関係なさそう。隣の部署の人は、個人的に会計に興味があるだけ? いいや、職場で1㎜も使わない知識でも面白かったから。

刊行が2009年とやや古いので、日本での適用状況などは変わっていそう。現在の採択企業なんかを調べてみたい。

 

<メモ>

・IFRSはEU発の会計基準。EU内で会計基準を統一するために採用された。原則主義(⇔細則主義)で細かいルールは示さず会計基準の概念だけを示す。IFRSの前身はIASで、こちらもEU内で生まれた。

・適用に向けては、正式適用(アドプション)と自国基準を元に近付ける形(コンバージェンス)がある。アメリカと日本は当初コンバージェンスの予定も、アドプションへ方針転換。

・IFRSの3大ポイントは①原則主義②公正価値③包括利益

  1. 細則主義でやっても抜け道やグレーゾーンはあり(エンロン、ワールドコム)。細則主義のアメリカでこれらが起きて、米国基準の信頼性が低下。ルールで規制するモグラ叩きよりも、原則主義が良いのでは?との流れが広まった。
  2. 時価会計にすべき、より実体を反映すべき、との考え方
  3. 本業以外の利益も重要!(⇔本業での儲けを重視する日本)

 

  • タイトル:経営幹部必読! 早わかり IFRS
  • 著者:グローバルタスクフォース
  • 出版社:PHP研究所
  • 読んだ日:2024年3月▽
  • 経路:図書館で借りて