とうつきの本棚

本に纏わることの記録。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『夢十夜(乙女の本棚)』夏目漱石、しきみ

夏目漱石の『夢十夜』に、イラストレーターのしきみさんが描き下ろしたイラストを添えた文学絵本。 いまいち『夢十夜』とイラストがマッチしていなかった。 表紙の金魚の少女の絵は綺麗だと思う。それから、100年待っていて下さいの病床の女の絵と、蕪村の掛…

『アンと愛情』坂木司

デパ地下の和菓子屋「みつ屋」でアルバイトを約2年続ける梅本杏子ことアン。店舗にすっかり馴染んで"このまま変わらなければいいのに"とすら願うアンは、他店からの応援店員や旅行先での出会い、和菓子の調べ物などから新しい気付きを得ていく。"ほの甘ミス…

『アンと青春』坂木司

デパ地下の和菓子屋「みつ屋」でアルバイト店員・梅本杏子ことアン。様々なお客様に対応し、店員たちと過ごす中で、改めて"働くってなにか"を考えていく。"ほの甘ミステリー"な『和菓子のアン』シリーズ第2作。 前作と比べて、人間関係にクローズアップされ…

『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子

川沿いにこじんまりと佇むマーブル・カフェ。定休の月曜日に1日だけオープンした「抹茶カフェ」から始まった、東京と京都をぐるりとつながげる心あたたかな短編集。『木曜日にはココアを』の続編。 『木曜日にはココアを』と同じく、短い文章の中に心温まる…

『木曜日にはココアを』青山美智子

川沿いの桜並木を抜けた先、大きな木の陰に隠れるように佇むマーブル・カフェ。こじんまりしたカフェを起点に、リレーのように繋がる人々のあたたかな短編集。 1話1話の文章はとても短くさらっと読める。おそらく1話10分も掛かっていない。そんな短い文章な…

『和菓子のアン』坂木司

高校を卒業して、デパ地下の和菓子店「みつ屋」でアルバイトを始めた梅本杏子ことアン。個性的な店員に囲まれて働き、お菓子にまつわるちょっと不思議な出来事の謎を考えるなかで、「みつ屋」で働くおもしろさや和菓子の奥深さを知っていく。『和菓子のアン…

『ジヴェルニーの食卓』原田マハ

マティス、ドガ、セザンヌ、モネ――印象派の画家たちの生き様を、周囲の人々の視点から描いた短編集。 本作は印象派の画家たちが実名のまま登場する。物語の登場人物として暮らし、会話し、作品を描く姿は実際の出来事のように感じてしまうが、これは史実を元…

『逃亡テレメトリー』マーサ・ウェルズ

プリザベーション連合で起きた殺人事件を、警備ロボットの"弊機"が調査する物語。『マーダーボット・ダイヤリー』の続編。 今回の"弊機"は、殺人事件の謎解きをする探偵役がメインの働きとなっている。もちろん、これまでも敵の正体と意図を突き止めてきたが…