結婚式直前に婚約破棄されてしまった明日羽(あすは)は、自由人な叔母・ロッカさんの勧めでドリフターズリスト(やりたいことリスト)を作る。きれいになる、鍋、お神輿、玉の輿――。自分を見つめ直し、本当にやりたいことを探す物語。
数年ぶりに再読。作中で起こる出来事(引っ越す、ル・クルーゼの鍋を買う等)は記憶にある。でも、明日羽ってこんなに未練がましく、周りを低く見る嫌味な性格で、突拍子もない行動で周りを振り回す人だったっけ…?という印象。
私の読み方が変わったんだろうな。最近OLが主人公の作品を読むとイライラしてしまって駄目だ。全然世界観の違うファンタジーを読むほうがいいのかも。
一人暮らしへの決意、心構えのような描写は良かった。
ごはんをつくったりお風呂を掃除したりゴミを分別して出したり宅配便の不在配達を受け取ったり、細々したことをひとつずつこなして自分で自分の生活をまわしていく。そういう手数が私には必要だった。(文庫版p.166)
まさしく私が一人暮らしを始めた、又は続けている理由と同じでじんとくる。思えば前に読んだのも、一人暮らしを始めてすぐだっただろうか。地に足をつけて生きるため、生活の細々した用事をこなしていきたい。日々のごはんはたしかに大事だ。
それぞれの章タイトルの付け方も好き。文庫版表紙の可愛らしさも。
でもやっぱり主人公にモヤモヤしてしまうので、しばらく再読はできないな。
- タイトル:太陽のパスタ、豆のスープ
- 著者:宮下奈都
- 出版社:集英社文庫
- 読んだ日:2024年2月▽
- 経路:BOOKOFFで購入