人生とは、が口癖の少女が街のあちこちで年齢も境遇も異なる友達とお喋りして、小学校の国語の課題「幸せとはなにか」を考える話。
主人公の小柳奈ノ花は、自分は頭が良い、特別だ、と思っている小学生。読者をイラッとさせそうなキャラクターなのに、周りの人たちのゆるっとした、或いは気だるげな雰囲気のせいか、そんなにイラッとしない。すごい。
住野よるさんの作品は、静かな日常生活の中に少しだけ不思議が紛れ込んでいて、でもその不思議によって大きく世界が変わるわけじゃない。そのさじ加減が好き。
「そうくるか!」という予想もしない方向へ転ぶのも。『君の膵臓を食べたい』は本当に驚いた。この作品も、こうかな?と思っていたことを二段三段と超えていた。びっくり。
何かが強く残るわけではないけど、さらっと読めて、途中で少し泣きそうになって、読後感が良い。
他の作品も読みたい。
- タイトル:また、同じ夢を見ていた
- 著者名:住野よる
- 出版社:双葉社
- 読んだ日:2022年10月
- 経路:BOOKOFFで購入
- その他:住野よるさんの作品は3冊目。『君の膵臓を食べたい』→『か「」く「」し「」ご「」と』→本作