入社1〜2年目の時、実際に読んで勉強した本。
「Excelについてなーんにも分からないけど、会社でExcel使うことになっちゃった!」って人が読むにはぴったりだと思う。
「実践的な小技」と「Excel使用の心構え」が書かれているので、Excel知識がない人には明日から使えるワザがぽろぽろあるはず。
私は、
- 大学の講義でExcelを触ったことはある
- SUM関数、IF関数、AVERAGE関数はわかる。……え、VLOOKUP関数??
- 相対参照と絶対参照はわかる
- グラフ作成の手順はわかるけど、イメージと違うグラフしか出来なくて嫌い
- データ集計と共にデータ分析?……分析??
といった状態で読んだ。かなり役立った。
世のExcel教本は、Excelの機能を網羅的に紹介したり、ショートカットキーの一覧をばーってならべていたりする。それはそれで体系的に学べて良いんだけど、いざ仕事では「結局、いつその機能を使うの?」がわからなかったりする。
この本は「こういう時にこれを使う」がわかりやすい。実践に沿った内容だから、時短テクとして「[Ctrl]+[PgDn]または[PgUp]」が早くに掲載される一方、一般的な「[Ctrl]+[N]」はなかなか書かれない。でも、便利でよく使うのは前者。だからこの順番で合ってるんだな、と思う。
なお、体系的・網羅的に学びたい場合は別の本をおすすめする。
あと、心構えもいい。
つまり、グラフは自分がデータを読みとるために、ぜひ作成してほしいのです。他の人に見せない場合でも、数表を作成したら、[F11]を押してグラフ化する習慣を身につけましょう。人に見せるわけではないのですから、細かいところは気にする必要がありません。ものの数秒の手間で、理解が進むのです。(第1章 なぜ、仕事でエクセルを使うのか P.30)
当時の私は、データ集計に加えてデータの意味を理解して上司に提案することも仕事だった。でも、データの羅列を見ても全く意味がわからない。持てる力でグラフを作っても「これじゃ何も分からないでしょ」と上司に言われる。
この本を読んで、とりあえず何でもグラフにしてみた。「増えてるな〜」「下がってるな〜」「これ棒グラフじゃ意味わかんないな〜…あぁ円グラフにすればいいのか」……超初歩的なレベルだが、確実に進歩はあった。データを理解しようとする向上心、動きのあるデータを見る力、どんなグラフが相応しいか考える力……。やって良かったので、まさに初級者向けの本だと思う。
図書館で懐かしさから手を取ったが、意外と忘れているワザもあった。
「複製または移動したい行・列を選択して、[Ctrl]または[Shift]を押しながらドラッグ」「[Ctrl]+[1]でセルの書式設定」……入社直後に限らず、たまに読み返すのもいいかもしれない。