東京都千代田区、神保町駅すぐにあるブックホテル「BOOK HOTEL 神保町」に宿泊した。
コンセプトは”「わたしの本」を見つけるホテル”。泊まって寝るだけでは勿体ない、読書するためのホテルである。
もちろん私も、本を読むために予約した。都内勤務のため、定時ダッシュでチェックインし、その後はひたすら読書!読書!読書!
想像より広く快適なホテルの中で、楽しく本が読めたので紹介したい。
お部屋
泊まったのはスタンダードダブルルーム。
下はドアを入って2歩進んだ位置から撮った写真。左手に二人がけのソファスペース兼廊下。その向こうに大きなダブルベッドが鎮座する。
広い!!!足を進めたベッド周りも、広々としていて狭苦しくない。
ベッドに座って入口方面を撮った写真。いや、奥行きがすごい…。
ベッドに座って右手には、一段上がった所にクローゼットスペースがある。その反対がバストイレ。
この部屋、23㎡もあるのだ。ちなみに、私の住む1Kのアパートは22.3㎡。キッチンや洗濯機置き場が無い分、アパートより空間を広く使えている。都会の真ん中にあるのに、よくこんな広い空間を確保できるなぁ…。
写真では赤やオレンジが主張しているが、全体的に暗めの色合いなので実際には落ち着いた印象。カーテンのえんじ色が良いアクセントカラーになっている。
本
部屋の本
これまでも多数写っているが、部屋の中に本が所狭しと並んでいる。
ただ本棚に並べられるのではなく、表紙を見せて配置されている。本好きとしては、こうして本が並べられているだけでテンションが上がって楽しい。ブックホテルに泊まった甲斐がある。
私の泊まった部屋には漫画もあった!
見えづらいが、下段にあるのは『ミステリと言う勿れ』。気になっていた漫画だったので、4巻まで読んでしまった。
ポップのついた本も多くて興味を惹かれるが、とてもじゃないが時間が足りない。タイトル・著者をメモして、図書館等で入手し、チェックアウトしてからも読み進めている。たくさんの本と出会えるホテルである。
*美貌:これから読みたい本*
- 『ミトンとふびん』 吉本ばなな
- 『おまじない』 西加奈子
- 『プラネタリウムの外側』 早瀬耕
- 『センス・オブ・ワンダー』 レイチェル・カーソン
選書の本
BOOK HOTEL 神保町では、予約者限定で「BOOKマッチングサービス」を受けることができる。なんと無料!
Googleアンケートフォームで「本を選ぶ基準は?」「好きなジャンルは?」「最近のマイブームは?」といった質問に答えると、回答に沿ったオススメの本を選んでもらえる、というサービス。(回答期限:チェックインの前々日22時)
私も勿論お願いした。選書頂いたのはこの3冊!
……3、冊??
受け取ったミニバッグの中には4冊入っていた。まぁいいや、お得だったということで。
ミニカードまで入っていた。こういうメッセージ、嬉しい。
選書された4冊中、3冊読んだ。うち2冊が大当たり!
◎『Rのつく月には気をつけよう』石持浅海
食べ物の描写が美味しそうな短編連作ミステリー。どうして私の好みがピンポイントでわかったんですか??と問いたくなるセレクト。
◎『フーテンのマハ』原田マハ
旅とグルメの軽快ドタバタエッセイ。軽い文体のエッセイはこれまで苦手としていたけど、せっかくオススメされたから…と読んだら面白かった。旅に行きたくなったし、もっとエッセイを読んでみたくなった。
△『月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト整理術』Takeru
ミニマリストの愛用グッズや暮らし方を紹介した本。私は自称ゆるミニマリストであり、自身がその界隈にいるからこそ納得できない部分が多くてイマイチだった。ただ、”私はミニマリストです”なんて一言もアンケートに書いていないのに、これを選んだ選書スタッフさんのセンサーが凄い。
366BOOKS...の本
1階フロント脇には、1年間(366日)に文庫本を当てはめた「366BOOKS...」なる本棚もある。自分の誕生日の本はなんだろな!?と楽しむ本棚。ネタに振り切った選書もあるらしく、「おみくじ感覚でお楽しみください」とのこと。
私も誕生日の本を探して手に取ってみたが……うーん。残念ながら、ホテルでゆったりしたい時には向かなそうな本だった。今度機会があったらチャレンジしてみようかな。
1階フロントロビーの本
上記「366BOOKS…」もその一つだが、1階フロントにも数多くの本が並んでいる。明るくて、可愛らしい印象。ホテルのロビーと言うより、おしゃれなカフェや雑貨屋さんのようなイメージだ。
ロビー自体は一般的なホテルと比較すると狭い。でも、照明の明るさと本の表紙の華やかさ、あと大きめの窓によって狭さを感じさせない。部屋の本同様に、表紙が見える形&ポップと共に置かれているので、あれもこれも読みたくなってしまう。
写真を撮りたかったのだが、あんまりロビーでパシャパシャ撮るのもどうかと思って撮れなかった。これは公式のnoteサイトなどを見て欲しい。本当に可愛らしい。
その他の本
私は利用していないが、「BOOKペアリング(500円でコーヒー、チョコレート、スタッフセレクトの本を楽しめる。本はプレゼント)」というサービスもある。また、宿泊とは別に「ブックカウンセリング(不定期開催/3000円)」なんて会も。
ホテル機能
部屋の広さについては散々書いたので、それ以外の事項を。
アメニティとしては、以下のような基本的な物は揃っている。
→タオル、ハミガキセット、うがい用コップ、シャンプー、リンス、ボディソープ、ハンドソープ、ヘアブラシ、カミソリ、ドライヤー、パジャマ、電気ケトル、マグカップ……
写真のティーバッグは持ち込み。でも、電気ケトルがあって温かいお茶が飲めるのは嬉しい。
あと何故か美顔スチーマーがある(白飛びしているが左下)。
このホテルは閉店済みのホテル「サクレン神保町」を居抜き改装後にオープンしたらしく、前のホテルの置き土産が色々ある。部屋によってはマッサージチェアもある模様。……ブックホテルとは??
反対に、以下の物などは無い。
→化粧落とし、化粧水、コインランドリー、駐車場、喫煙ルーム、各種ルームサービス、22時~翌8時までのフロントサービス……
個人的に化粧落としを忘れないよう気を付けた。後は元々使わない類なので問題ない。
- 自社予約サイトから予約
- スタンダードダブルルーム(23㎡)
- 1部屋大人1人、食事なし素泊まり
- 12,500円
※実際には「全国旅行支援制度」を利用して、12,500円×40%OFF=7,500円で宿泊。
公式サイトのリンク
noteサイト
予約サイト
自社WEBサイトはなく、ほとんどの情報がnoteに掲載されている。バラバラと更新されており、若干見づらい。まれに「あのページとこのページで記載内容が違うんだけど?」という情報も見受けられる。ただ、noteはそのゆるさから、スタッフさんたちの率直な思いが感じられて面白い作りになっている。
まとめ
読書体験を楽しむためのホテル。本を楽しめるように、色々と工夫されていることを感じた。選書サービス(ブックマッチングサービス)は絶対にやった方がいいと思う。結果的に宿泊期間中に読めなくても、「誰かに本を選んでもらう」機会はなかなか無いし、楽しい。
noteでは「ホテル機能は最小限」等の記載もあるが、泊まった印象は普通のホテルとしても問題ないと思われた。ホテルとして+αのサービスは無いかもしれないが、最低限はきちんと満たしている。普通にホテルとして泊まっても問題ないと思う。たくさんの本を読まずに帰るのは、やや勿体ないとは思うが。
新しい本と出会いたいな、と思った時、ぜひまた泊まりたいホテルだった。