とうつきの本棚

本に纏わることの記録。

奈良県「コンフォートホテル奈良」【本とホテル】

奈良県JR奈良駅近くにある「コンフォートホテル奈良」に宿泊してきました。

一部のコンフォートホテルには「ライブラリーカフェ」なるカフェスペースがあります。本棚にはどんな本があるのか、本は読みやすい環境なのか……体験しました!

 

「コンフォートホテル奈良」の概要

ホテルの特徴をざっとまとめます。

  • ☆JR奈良駅徒歩5分。
  • ☆フロント脇のラウンジスペースに本棚が設置。手軽に読める絵本やエッセイの他、その土地ならではの選書もあり。
  • ☆一般的なビジネスホテルとして、必要十分なサービスが整っている。
  • ★蔵書は少なめ。読書目当てでの宿泊は避けた方が無難。
  • ★朝はラウンジ全体が朝食会場となるため、朝の利用は不可。実質チェックイン~就寝までの利用。

 

コンフォートホテルの「ライブラリーカフェ」とは

コンフォートホテルの一部には「コンフォートライブラリーカフェ」というスペースがあります。

宿泊者が使えるオープンスペースで、無料のコーヒー・紅茶を頂けるほか、充電用コンセントやフリーWi-Fiを自由に使うこともできます。また、プロの選書家がセレクトした本や写真集などが設置されていて、カフェ内で自由に読むことができます。

www.choice-hotels.jp

これまで私が訪れたブックホテルは「本」をホテルのメインテーマに据えた場所でした。コンフォートホテルの「本」の立ち位置はあくまで数多のサービスの一つに過ぎないでしょうが……それでも「本」を取り扱うホテルが旅先にあるなら行ってみたいもの。

どんな場所なのか訪れてみることにしました。

 

「コンフォートホテル奈良」のレビュー

居室

今回泊まったのはダブルエコノミールームです。「一般的なビジネスホテルのシングルルーム」を思い浮かべて頂き、そこで想像した広さ・機能が大体ある感じです。

白とダークブラウンを基調にした落ち着いたカラーリングで、ホテル自体が新しいのか設備も古びた印象は受けません。大きめのデスクと椅子が良いです(写真右側)。部屋の広さは公式ホームページによれば13㎡。一人で泊まるには十分な広さです。

水回りは洗面台・トイレ・お風呂がセットになったユニットバスです。……このバスタブ、自宅にあるやつより広いな。いいな。

タオル各種にドライヤー、電気ポット、マグカップ、グラス、スリッパ、シャンプーリンスボディソープ、歯磨きセットなど一通りのアメニティが揃っています。パジャマは1階フロント前の棚に置かれており、必要な人だけ手に取る形式でした。

 

ライブラリーカフェ

コンフォート奈良のライブラリーカフェは、1階フロントの真横にありました。フロントと一続きのスペースを棚や観葉植物で区切っている形なので、まさにオープンスペースといった趣です。

カフェ内には1~2名掛け小さなテーブルや椅子が数多くありました。後で知ったのですが、ここは朝には朝食会場となります。なるほど、そのための施設や備品を有効活用しているのでしょう。

置かれたクッションには鹿の刺繍が!ここが奈良県だからですね。店内装飾もフロリダや東京の方角・距離を指し示すのと同じノリで、東大寺の方角・距離が示されるなど遊び心があります。こういったご当地ならではの演出好き!

 

飲み物コーナーには、コーヒーマシンや紅茶のティーバッグなどがずらり。写真を撮り忘れたのですが、イメージはファミレスのドリンクバーからジュース系を除いた感じです。ティーバッグも4種類くらいあったでしょうか。無料で飲めるのにここまで揃えてくれるのね、と思いました。

夕方のチェックイン頃は、利用者が少なく貸し切り状態でした。利用にフロント前を通ることもあり「一人で長々と占有してすみません……」という気持ちになりましたが、外で夕食を食べて戻る頃にはそれなりに利用者が。後述の本棚から本を選ぶ人もいて、結構賑わっている印象でした。

 

カフェ中央付近にある柱の三方を囲うように本が置かれています。

写真中央右側のダークブラウンっぽい本棚がメインですね。樹木をイメージした飾り棚(写真中央左側)があり、この裏側にも同様の飾り棚があります。

 

選書は、ブックディレクターの幅允孝(はば よしたか)さんという方が担当されたようです。全国のライブラリーカフェ共通で、以下の4つの選書テーマに沿ってセレクトされているそう。

01.街の来歴
ホテル周辺の地場に関連する本のセレクト。

02.旅の醍醐味
日本だけでなく世界や宇宙まで、幅広い視点から「旅」を感じられるセレクト。

03.心と体を整える
仕事に遊びに全力で活動した旅先で、ちょっと疲れを癒したい。そんなときにおすすめのセレクトです。

04.心地よい時間
ぱらぱらとページをめくり眺めているだけで、心が落ち着くようなセレクトです。

【公式】コンフォートホテル より。タイトルと太字部分のみ抜き出し。

奈良駅前のホテルなので「01.街の来歴」としては仏像やお寺に関する本が見られました。翌日に興福寺の阿修羅像を見る予定だったので、『仏像とお寺の解剖図鑑』で阿修羅像の見どころを知ることができたのがとても良かったです。

また、漢方の本やコーヒー・紅茶の絵本、空の辞典など、まったりした時間を楽しめる本が多くて和みました。

 

選書テーマからもわかる通り、がっつり読み込むような長編小説はほとんどありません。また、カフェ内の本を居室に持ち帰ることもNGです。あくまでカフェで過ごすひとときの間、のんびりした気持ちで眺める選書となっています。

コンフォート奈良の蔵書は「100冊以上」とのこと。本だけを目的に泊まると物足りないでしょうが、ビジネスホテルの+α要素として考えると大変充実していて良いと感じました。

 

朝食

コンフォートホテルには無料の朝食が付きます。バイキング形式で、写真は遠慮がちに取った1周目のお皿。この後ワッフルやスムージーをメインにした2周目を取りにいきました。他のホテルの別料金制のバイキングと比べれば品数・お味はやや劣りますが、宿泊料金に入っていると考えると……すご。

朝食会場は上記のライブラリーカフェです。このため、朝の時間帯は読書を楽しむことができません。チェックアウト後もライブラリーカフェは利用できるとのことですが……まあチェックアウトしたら外に出掛けてしまいますものね。

 

宿泊料金

9月の休前日、楽天市場経由の早割でお値段6100円でした。安い!

ビジネスホテルとしての設備が完備されており、ライブラリーカフェというお楽しみ要素もあって、このお値段はお得なんじゃないでしょうか。

一点気になるとすれば、最寄り駅がJR奈良駅なこと。近鉄奈良駅の方が賑わっていますし、近鉄奈良駅なら興福寺や東大寺が徒歩圏内、主要観光地も近鉄線での移動が多いです。JR奈良駅と近鉄奈良駅間は徒歩15分弱。利便性を考えると近鉄奈良付近のホテルの方が便利かも……。

 

まとめ

いわゆるブックホテルほどの本格さは無いとはいえ、無料でコーヒー・紅茶と読書を楽しめるカフェの存在はとても良いものでした。旅行先でその土地に関連した書籍が読めるのも◎

コンフォート奈良のライブラリーカフェは、フロント脇の開放的なスペースで入りやすい雰囲気があります。チェックイン後すぐに寄ったり、外で夜ご飯を食べた帰りに寄ったりできました。夜以降は利用客が増えましたが、元が朝食会場なので座席数が多く「混んできたからそろそろ席を譲った方がいいかな…?」なんて懸念もなく過ごせました。

蔵書数は多くはありませんが、その土地ならではの本や自分ではあまり読まない類の本と出会えて面白かったです。ただし、あくまでホテルのお楽しみ要素。ライブラリーカフェの存在だけを目当てに宿泊すると期待外れとなる可能性もあるので、他の目的(観光旅行・出張etc)の+αの存在として楽しみましょう。

別のコンフォートホテルでも選書はほぼ同じと思われます。しかし「01.街の来歴」は少なくとも都道府県ごとに異なるでしょうから、別のライブラリーカフェを訪れてみてもいいなと思いました。