とうつきの本棚

本に纏わることの記録。

京都府「TUNE STAY KYOTO」【本とホテル】

京都府京都駅近くにある「TUNE STAY KYOTO」に宿泊してきました。

ホテル内に”京都”に関する書籍を集めた本屋が併設された、サブカルコンテンツを楽しむホテルです。

 

 

「TUNE STAY KYOTO」の概要

ホテルの特徴をざっとまとめます。

  • ☆京都駅から徒歩5分の好立地。
  • ☆フロント脇の1階~地下1階の階段沿いに広がる美しい本棚が圧巻。
  • ☆京都の地で”京都にまつわる本”を眺める楽しさがある。
  • ★共有キッチンやフレンドリーなスタッフなど、ホテルの名を冠するがホテルとゲストハウスの中間的な印象。
  • ★併設されるのは”本屋”で、推奨されるのは”本との出会い”。

綺麗な本棚に囲まれて、様々な本をじっくり読ませて頂きました。ただ、一般的な本屋だと立ち読みに該当するのかな……とやや疑問と申し訳なさは残るかも。実際に泊ってみた印象を詳しく書いてみます。

 

「TUNE STAY KYOTO」のレビュー

居室

今回泊まったのはダブルルームです。白を基調にしたシンプルで都会的なカラーリング。

部屋の広さは公式ホームページによれば12㎡で、一人で泊まるには十分な広さだと思います。スタッフさんには「部屋は狭いので、共有スペースを積極的にご利用ください」と言われました。そんなに狭いかな? 洗面台が水回りと一緒ではなく、部屋側にあるのは狭めの印象はあるかも?

水回りはこんな感じです。

手前がトイレ兼洗面台兼脱衣所、奥がシャワールーム。バスタブは地下1階の共有スペースにあり、予約制で湯船に浸かることもできます。

部屋の備品は各種タオル、ドライヤー、シャンプーリンスハンドソープなどがなど。

 

本屋

フロント脇の1階~地下1階に掛けて、階段沿いに大きな本棚が鎮座します。ホテルの紹介写真として一番よく見かける場所です。このホテルの一番のウリと言っても過言ではないでしょう。

写真でも十分綺麗でフォトジェニックですが、実際に見るとライティングや奥行き感が相まってより美しいです。 ↓別アングル

混雑しないか不安でしたが、9月平日は利用者は少なかったです。全体的な椅子の数は多く、大きな本棚手前には階段と一体化したベンチがあります(写真1枚目)。そのほかに大きなソファー、ボックス席が1つ、一人用の椅子が2~3脚ありました。

 

ところで、ここは”本屋”です。「ホテル内で読書体験をお楽しみください」といった文言は、私の調べた限りでは見つけられませんでした。推奨されるのは"本との出会い"です。

公式ホームページにおける、本屋の説明は以下です。

旅人に寄り添うことを大切にする
私達だからこそできる本屋のカタチ。

そろえたのは、京都を旅するあなたに出会ってほしい本。
ゆっくりと、本屋を歩き、棚を眺め、手に取る。
そうして、あなたが惹き寄せる本との出会い。

ここで出会った本はきっと
あなたの旅の、新たなみちしるべになる。

リンク先:TUNESTAY KYOTO

インフォメーションはこちら。

BOOK STORE INFO

閲覧時間 : 24 時間閲覧可能
営業時間 : 7:00 – 22:30
対象者 : ご宿泊者のみ利用可能
ルール : 未購入品は客室まで持込不可
楽しむコツ 忘れてはいけないもの:知りたいという気持ち。
置いてきていいもの:時計。

リンク先:TUNESTAY KYOTO

楽天トラベルの説明文が一番踏み込んでいるかもしれません。

京都にまつわる本を2500冊以上取り揃えている、ここにしかない本屋さん。本屋の中を旅するように、ゆっくりと巡り、出会った本とじっくり向き合う時間をぜひお楽しみください。

リンク先:TUNE STAY KYOTO 宿泊予約【楽天トラベル】

いずれも、未購入の本を読みふけることは推奨されていません。”たまたま”椅子がたくさんある本屋さん……個人的にはそんなグレーな雰囲気を感じました。本屋さんは「立ち読み大歓迎!」って表立って明言はしづらいですもんね。

ただ、これは私が文面からそう読み取っただけです。実際のところは、店内では何不自由なく本を読むことができます!

 

蔵書はすべて京都に関するもの!物語の舞台や作者の出身地、取り扱うテーマなどいずれかに京都との接点があります。例えば

  • 『源氏物語』紫式部→舞台が京都(言わずもがな)
  • 『檸檬』梶井基次郎→舞台が京都(檸檬を置くのは京都の丸善)
  • 『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦→舞台が京都(下鴨神社の古本市など)
  • 『ふしぎな図書館』村上春樹→作者が京都出身(知らなかった!)

などなど……。一体どこが京都ポイントなのか考えながら棚を眺めるのが面白いです。
がっつり読める小説からイラストが魅力的な絵本や漫画、京都の雑学からカフェ案内まで多種多様。ぱらぱらめくって立ち読みしても良し、ソファーやベンチでがっつり読みふけっても良しと楽しい空間です。

私が読んだのは以下。

『ふしぎな図書館』村上春樹、佐々木マキ - とうつきの本棚

『檸檬』梶井基次郎、げみ - とうつきの本棚

『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦 - とうつきの本棚

『今様 京都の値段』柏井壽 - とうつきの本棚

「京都のホテルで、京都にまつわる本を読む」ことのわくわく感は大きかったです!まさに一期一会、ここにしかない出会いが色々とありました。

 

朝食

今回は2泊中1泊を朝食付きプランとしました!

  • お値段:+540円の朝食付きプラン
  • 場所:1階のカフェスペース
  • 時間:7:00~11:00
  • 内容:ベーグルサンドとドリンク

1階のフロントに連なるカフェスペースで、スタッフさんに注文します。ベーグルサンドはスモークサーモンを選びました。3~4種類から選べたと思います。具だくさんでおいしい!

写真はピントが合ってなくて申し訳ない…。平日7時半頃に来店し、全く問題なく空いていました。その後も特段混み合わず。共有キッチンがあるので、そちらで簡単に調理&飲食する人が多いのかもしれません。

 

サービス

ちょっと気になったのが、共有スペースの清掃状況がイマイチなことです。

本屋の階段状ベンチに、誰かが飲み物を置いたのだろう輪っか状の汚れがありました。紙コップから溢れたジュースかカフェラテが、底の輪っか状に残ってベタついている状態……と書いたら伝わりますかね。その足元には誰かの髪の毛や綿ぼこりが散っていました。いずれも初日に見かけましたが、翌日も清掃されないままでした。

また、本屋B1部分と共有キッチンは隣り合っているのですが、その間にあるごみ箱の外側に、コーヒーか何かがダラダラ垂れたあと乾いたような汚れがありましたが、ずっと清掃されないままでした。

ファストフード店の汚れならわかりますが、ここってホテルだよな……と首を傾げてしまう状態。共有スペースの多さからある程度の清掃は宿泊者の自主性に任せているように感じますが、床やごみ箱が連日汚れたままなのはイマイチです。

 

宿泊料金

9月平日のダブルルームのシングル利用、朝食付きプランで7560円、朝食なしプランで7020円でした。

2023年9月~10月の空室状況を見ると、平日は7千円台後半~9千円台です。京都駅から徒歩5分、東本願寺すぐの立地から考えるとお安い印象。ただし、先述の通り手入れの行き届いていない共有スペースやよく言えばフレンドリーな接客など、値段の割にゲストハウスのようなライトさを感じました。これを加味すると値段相応~ややお安めの印象でしょうか。

 

おわりに

フォトジェニックな本棚と、ここにしかない選書のラインナップは一見の価値ありです。京都の地で京都にまつわる本と出会う体験は、印象深いものになりました。

(空いていたのでぬい撮り)

未利用のため記載しておりませんが、本屋スペースを利用した夜間ショートフィルム上映会やフロントスペースでの展示会、ジンを提供するバーなど、面白サブカル要素に溢れたホテルでもあります。面白いホテルに泊まってみたい方にはおすすめです!