著者のこだわりの持ち物や、考え方を紹介する本。
タイトルから私が期待したのは「どっちでもいい」をやめるに至った考え方の変化や、元々の状態から持ち物がどのように変わったか、だった。例えば「これまで食器なんてなんでもいいと思って100均やオマケの皿を使っていたが、こんなことがあって買い替えようと思った。今使っている○○は、こんな流れで出会って購入した」といった物語だ。
しかし、この本では「どっちでもいい」をやめた後に選んだ持ち物の紹介に終始していた。
いまの所持品がどんなに気に入っているか、の話自体は好きだが、この本に期待したものではなかった。残念。
共感したのは、「はじめに」に書かれた以下の文章。
(前略)大事にされたい、愛されたいと願っているのに、実は自分が自分を、全然大事にしていなかったのです。自分で自分の評価が低いから、いくら人から褒められても満足できないという、負のスパイラルでした。
私の場合、まずやるべきことは「NO」と言う練習でした。「どっちでもいいよ」と、選択を自分以外の人に委ねたままでは、自分の人生は生きられない。それは毎日食べたい食事、手にする生活道具といった些細なことから、家事や仕事の仕方、人間関係など、すべてに通じること。(後略)
はじめに/p.5
ここの部分が詳しく知りたかった。「はじめに」にざっくり書かれているので、本編で詳しく書いてくれるものと思っていた。そんなことはなかった。残念。
本著と後付を読んだら吉祥寺でパン屋やギャラリーを営む、割と有名な方のようだった。おそらく「この人の生活や持ち物を知りたい!」というファンが読む本なのだろう。
- タイトル:「どっちでもいい」をやめてみる
- 著者:引田かおり
- 出版社:ポプラ社
- 読んだ日:2023年5月◇
- 経路:図書館