行動経済学の誕生から現在の考え方、それを証明する実験などを、おそらく網羅的に記載した本。
古本市で面白そうだと手に取って、気軽な気持ちで読み始めた。しかし、想像の何十倍も詳しく緻密に書かれていた。
私が求めていたのは「行動経済学ってこんな学問ですよー」「こんな考え方があるんですよー。ほら、あなたの行動もこれに当てはまるでしょ!?」といった、素人が気軽に面白がって読める内容だった。しかし、この本は各理論を体系的に説明し、それを証明する学説や論文や実験を詳細に描いている。じっくりよく読めば言わんとすることはわかるのだが、難しくて話の内容が右から左に抜けていく。1冊通読したが、頭に残っている情報は僅かばかりだ。少し興味がある程度の門外漢には詳しすぎた…。
それでも、頭に残った内容は面白い。特に1から100まで段階的に増加するとき、1→2になる喜びと、56→57になる喜びの大きさは異なる(1→2の方が大きい)のはまったくその通りだと感じたし、印象的だった。こういった印象に残るフレーズや理論はぱらぱらとあって、きっと他の行動経済学の本を読んだときに思い起こせるだろう。その点では良かった。
折角だから、学んだ内容をルーズリーフにでも書きだして整理しようかと思ったが、気が乗らないまま1ヵ月あまりが過ぎてしまったので、もうやめることにする。次はもっと平易な本を探して読もう。