とうつきの本棚

本に纏わることの記録。

銀座一丁目駅「HAPPY SCIENCE GINZA BOOK CAFE」【本とカフェ】

銀座一丁目駅近くの「HAPPY SCIENCE GINZA BOOK CAFE」に行ってきました。新宗教団体が運営するので向き不向きははありそうですが、明るく綺麗なブックカフェです。

『強運の持ち主』瀬尾まいこ

元営業OLの占い師・ルイーズ吉田が、ショッピングセンターの片隅で出会う人たちの悩みを解決していく小説。 ルイーズ自身が占いを信じていないのが良い。前職の営業スキルを活かせる!と求人広告に応募し、実際にその話術でお客さんを引き込んで独立している…

『かもめ食堂』群ようこ

日本人女性のサチエがフィンランドで始めた食堂が舞台に、訳あってフィンランドを訪れたミドリやマサコと話したり、お店を手伝ってもらったり……そうして過ぎる日々を淡々と描いた物語。さらっとして読みやすかった。 大成せずに、ただ生きる姿を描いているの…

『ミトンとふびん』吉本ばなな

静かで優しい、そっと寄り添うさみしさと思い出を描いた作品集。 吉本ばななさんは静かなさみしさを描くのが上手いな、と思う。それも本当に一人ぼっちのさみしさではなく、隣に誰かがいる/いた時にこそ感じるさみしさである。 本作には、大切な人を亡くした…

『いいね!ボタンを押す前に―ジェンダーから見るネット空間とメディア』治部れんげ他

ネット上での炎上や諸問題をジェンダーの視点から分析・考察した本。複数の著者の文章を集めてまとめたもの。 この本ははてなブログで知った。たしかはてなブログトップからアクセスしたので、どこの誰の記事かはもう分からない。ちょうどTwitterで目にする…

『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―』森下典子

著者が茶道を通じて出会った物の感じ方や考え方を綴ったエッセイ。 「○○によって考え方が変わった」「××を経験して毎日を大切に生きるようになった」といった体験談自体は世の中に多い。よく目にするエッセイと本作が異なるのは、著者が長年通ったお稽古事に…

『行動経済学 経済は「感情」で動いている』友野典男

行動経済学の誕生から現在の考え方、それを証明する実験などを、おそらく網羅的に記載した本。 古本市で面白そうだと手に取って、気軽な気持ちで読み始めた。しかし、想像の何十倍も詳しく緻密に書かれていた。 私が求めていたのは「行動経済学ってこんな学…

『食堂かたつむり』小川糸

恋人にすべてを持ち去られたショックで、声までも失った倫子。山あいの田舎に戻った彼女は、一日一組限定の食堂を開くことにした。食事と人間模様を描いたおとぎ話。 作中で調理の様子が丁寧に描写されているのが楽しい。著者と主人公が食事を大切に思ってい…

『「どっちでもいい」をやめてみる』引田かおり

著者のこだわりの持ち物や、考え方を紹介する本。 タイトルから私が期待したのは「どっちでもいい」をやめるに至った考え方の変化や、元々の状態から持ち物がどのように変わったか、だった。例えば「これまで食器なんてなんでもいいと思って100均やオマケの…

柴崎駅「本とコーヒー tegamisha」【本とカフェ】

東京都調布市にある書店兼カフェ「本とコーヒー tegamisha」に行ってきました。東京蚤の市などを主催する手紙舎運営の、落ち着いた雰囲気が素敵なお店です。

清澄白河駅「Ginger.tokyo」【本とカフェ】

東京都江東区にあるカフェ「Ginger.tokyo」に行ってきました。 本とレコードが並ぶ、カフェご飯がとっても美味しいお店です。

『ことり』小川洋子

長年幼稚園の小鳥小屋を掃除していた「小鳥の小父さん(おじさん)」が亡くなった。一羽の小鳥が収まった鳥籠を抱きかかえ、安堵してゆっくり休んでいるかのように亡くなった小鳥の小父さんの一生を振り返る物語。 とても静かな作品だった。作中によく"じっ…

『麦本三歩の好きなもの』住野よる

よく食べて、おっちょこちょいで、散歩が好きで、図書館が好き……そんな麦本三歩の日常を描いた作品。 きっととても好きだろうと手に取ったけど、残念ながら好みではなかった。まず三歩の業務態度が不真面目すぎてイライラする。かつ地の文のライトノベル風味…

御茶ノ水ソラシティ古本市(2023年4月)

2023/4/23〜4/30に開催されている「御茶ノ水ソラシティ古本市」へ行ってきました。

『一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』竹川美奈子

投資信託への第一歩を踏み出す初心者向け解説本。 様々な株式や債権をまとめて販売する投資信託を、様々なおかずを詰めて作成するお弁当に例えるなど、説明が平易でわかりやすい。 そもそも投資信託とは何なのか、どこでどうやって購入するのか、購入時に確…

『最初からそう教えてくれればいいのに!Accessのデータベースのツボとコツがゼッタイにわかる本』立山秀利

Microsoft Officeソフトの「Access」について、完全初心者が最初の一歩を踏み出すことのできる本。 この参考書の本文中には、何度も繰り返しこんな文章が現れる。 「何やらややこしい話だなぁ」と思われた方も少なくないかと思いますが、一般的な意味でのデ…

『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE』安達茉莉子

自分にとって心地よい生活を続けるために、身の回りのすべてを見直し、より良い生活を目指すエッセイ。 帯の言葉が刺さった。 「これでいいや」で選ばないこと。「実は好きじゃない」を放置しないこと。 本文p.10に登場する言葉である。 自分にとっての心地…

池袋駅「梟書茶房」【本とカフェ】

池袋駅にある「梟書茶房」に行ってきました。本をコンセプトにした店内装飾やメニューは楽しいけれど、落ち着いて本を読める環境ではないかな。

『現代アートの本当の見方 「見ること」が武器になる』フィルムアート社

現代アートをどう見るか?を主題として、そもそもの芸術作品の見方(画材、画法、テーマ……)や現代アートに関する対談、種類ごとの現代アートへの関わり方なんかを雑多にまとめた本。 数ある芸術作品の中でも、現代アートは「どう見たらいいのかわからない」も…

『サクリファイス』近藤史恵

自転車競技(ロードレース)のスポーツ青春小説、かつ、想像もできない理由で起きた悲劇を紐解くミステリー。 初読は10年前。これまで読んだ本の中で、もっとも心に残っている本。 まず自転車競技の説明が上手い。 これまで自転車レースなんて一度も見たこと…

東京駅「スターバックスコーヒー TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI店」【本とカフェ】

東京駅近くの丸ビル内にあるブックカフェ「スターバックス コーヒー TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI店」に行ってきました。 2022年12月にオープンしたばかり。スタバ×TSUTAYAのコラボ店舗です。

『鳥と雲と薬草袋』梨木香歩

主に関東以西の地名について、その成り立ちや著者の思い出ぽつぽつと語る掌編エッセイ。 見開き1ページの短さで、各地の地名にまつわる話が展開される。古来より脈々と受け継がれて来た地名に感嘆したり、旅行や取材で訪れた時の思い出に浸ったり、縁起のい…

『北欧こじらせ日記』週末北欧部chika

北欧大好きな著者がほんわかタッチのイラストで綴る、フィンランドの魅力とやりたいことに近づくキャリアのエッセイ。 イラストほんわかで可愛い~!ふわふわタッチの漫画、フィンランドの綺麗な写真、丁寧な言葉遣いの文章が並び、とても楽しく優しい気持ち…

東京駅構内「BOOK COMPASS」【本とカフェ】

JR東京駅構内にあるブックカフェ「BOOK COMPASS」に行ってきました。 話題の本とビジネス書が並ぶ、気軽に入れてカレーのおいしいブックカフェです。

『おいしいごはんが食べられますように』高瀬 隼子

始終不穏な空気の漂う、働く人たちの仕事とご飯の物語。 この本の説明は、公式の内容紹介が秀逸すぎる。これ以上の文章が浮かばない。 第167回芥川賞受賞! 「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」心をざわつかせる、仕事+食べもの+…

愛知県「ランプライトブックスホテル名古屋」【本とホテル】

愛知県名古屋市の伏見駅近くにある「ランプライトブックスホテル名古屋」に宿泊してきました。 広く綺麗な部屋と旅&ミステリージャンルに特化した選書、おいしいコーヒーが楽しめるブックホテルです。

『キツネと星』コラリー・ビックフォード=スミス(スミス幸子訳)

紺の布張りに白インクの装丁。絵と文字が入り混じるような本文。ポツポツと紡がれる誌的な言葉。 「美しい絵本」の言葉がぴったり。こんなに美しい絵本、初めて出会った。 ストーリーは単純で、だからこそ静かに読める絵本だと思う。 ひとりぼっちの臆病なキ…

『世界 幻想とファンタジーの情景』

おとぎ話に登場しそうな青い湖面、断崖絶壁にそびえる城、幾何学模様の教会……そんな美しい情景を集めた写真集。 おとぎ話か、映画の世界か。そんな世界観の写真が並ぶ。空想の産物ではなく、すべてこの地球のどこかに存在している場所だから驚きだ。 落ち着…

『毒入りチョコレート事件』アントニイ・バークリー(高橋泰邦訳)

ひとつの事件を6人がそれぞれ推理する、推理の手法と展開を楽しむミステリー。海外ミステリーに明るくない私でも、名前は知っているとても有名な作品。 既に殺人事件が発生し、警察が捜査するも行き詰まった状態で物語が始まる。探偵役は犯罪研究会の6人。彼…

『旅ドロップ』江國香織

口当たりの良い、旅に纏わる掌編エッセイ。 ひとつひとつの話が短く、旅先で手軽に読むことができた。とても読みやすい。短いながらも文章が美しくて、ついつい引き込まれた。 内容は"旅"がテーマだ。ただ、いわゆる旅行記ではない。もちろん、長崎に行った…